冷却シートの取り扱いにおいて、最も厳重な警戒を要するのが0歳〜2歳前後の乳幼児への使用です。消費者庁および国民生活センターは過去、冷却ジェルシートが子どもの口や鼻を覆い、窒息事故に至った重大事例を複数回にわたって公表しています。
乳幼児は体温調節機能が未発達であり、発熱時には激しく頭を動かしたり、手で顔をこすったりします。その際、おでこに貼っていたシートが汗で滑って下がり、「鼻と口を同時に塞いでしまう」という致命的な危険が潜んでいます。乳児は自力でシートを剥がす握力や反射運動が備わっていないため、大人が目を離したわずかな就寝中に無呼吸状態に陥るリスクがあるのです。
各社ともに「赤ちゃん用」ラインナップを展開しており、サイズを小さくし、香料や着色料、メントールを極力排除して肌への刺激を抑える配慮を施しています。しかし、製品が安全設計であっても「ズレ落ちによる窒息」の物理的リスクはゼロにはなりません。日本小児科学会等のガイドラインでは、乳幼児が就寝する際はおでこへの貼付を避けるか、貼る場合であっても保護者が完全に監視できる覚醒時に限定することが強く推奨されています。子どもの看病において、「貼っておけば安心」という過信は絶対に禁物です。