標高の高い尾根筋に突如現れるその姿は、建築史の視点からも極めて異彩を放つ。設計を手掛けたのは、昭和期に数々の独創的な構造物を残した建築家・志摩勝也だ。円形ドームを中心とした未来的なフォルムは、当時流行した近未来デザインの機微を余すところなく捉えている。
ガラスと鉄骨、そしてコンクリートが見事に調和した構造は、まさに昭和モダン建築の金字塔と呼ぶにふさわしい。静岡県熱海市の豊かな自然景観と人工的な幾何学デザインが見せる対比。その圧倒的な存在感こそが、半世紀以上の時を経てもなお人々を魅了し続ける最大の理由である。