日本の英語学習者や恋愛リアリティ番組の視聴者の間で根強く残る誤解が、「相手に思いを伝える告白として『I like you』を使えば付き合える」という思い込みです。日本には「告白して承諾を得てから付き合う」という明確な契約的文化が存在しますが、英米圏をはじめとする多くの西洋社会にはそもそも「告白(Kokuhaku)」という単一のイベントが存在しません。
関係性はグラデーションのように段階的に深まるものであり、デートを重ねて数ヶ月が経過した時点で「Are we exclusive?(私たち、他の人とはデートしない関係だよね?)」と確認し合うのが通例です。そのため、まだ数回しか会っていない相手にいきなり真顔で「I like you! Will you go out with me?」と切り出すと、相手は驚き、心理的バウンダリー(境界線)を侵害されたと感じて後ずさりしてしまうリスクがあります。
ネット上の掲示板や知恵袋などでは、「外国人の彼から『I like you』と言われたのに、正式な彼女なのか分からない」という悩みが頻出しています。このギャップが生じる原因は、相手にとって「like」はあくまで「これから深く知っていきたい好感」の表明にすぎず、交際の最終合意(コミットメント)を意味していない点にあります。言葉そのものよりも、相手が「週末の時間を優先的に割いてくれるか」「家族や親しい友人に紹介してくれるか」という行動の実態こそが、関係性を測る決定打となります。