教育や行政の現場において、これらの漢字はどのように扱われているのだろうか。結論から言えば、文化庁が定める「常用漢字表」において、「海月」や「水母」を「くらげ」と読む読み方は音訓表に収められていない。いわゆる表外訓にあたり、公用文などではひらがなやカタカナ表記が推奨されるのが一般的だ。
しかし、漢字の普及と教育を担う日本漢字能力検定協会(漢検)においては、これらの表記は重要な試験領域となる。「海月」「水母」はいずれも二字以上の漢字を組み合わせて訓読みを当てる「熟字訓(じゅくじくん)」の典型例として、漢検1級や準1級などの上位級で頻出する難関問題だ。こうした検定試験の存在が、日常では書く機会の減った難読漢字の文化的価値を現代に継承する役割を果たしている。