「鼻炎」とは、鼻の粘膜に炎症が起きている状態そのものを指す医学的な総称です。その中に原因や発症機序に応じた複数の疾患が存在しており、花粉症はそのうちの代表的なひとつに過ぎません。両者の関係性を理解するには、まず鼻炎の全体マップを把握することが近道です。
鼻炎は大きくアレルギー性鼻炎と非アレルギー性鼻炎の2つに大別されます。アレルギー性鼻炎は、免疫システムが特定のアレルゲンに対して過剰に抗体(IgE抗体)を作り出すことで発症します。このアレルギー性鼻炎が、さらに原因物質によって2系統に分かれます。
1つ目が、スギ花粉症やヒノキ、ブタクサなどが原因で特定の季節にのみ発症する「季節性アレルギー性鼻炎(いわゆる花粉症)」です。2つ目が、ハウスダストやダニ、ペットの毛などが原因で1年中症状が続く通年性アレルギー性鼻炎です。つまり、「花粉症は鼻炎の一部であるが、すべての鼻炎が花粉症というわけではない」という包含関係が成り立ちます。
一方、検査をしてもアレルギー反応が出ないにもかかわらず、鼻水や鼻づまりが起きる代表格が血管運動性鼻炎です。いわゆる「寒暖差アレルギー」とも呼ばれ、自律神経の乱れによって鼻粘膜の血管が拡張することで引き起こされます。アレルギー抗原が関与していないため、目のかゆみなどは伴わない点が大きな特徴です。