新藤恵美という存在を語る上で欠かせない金字塔が、1971年4月からTBS系列の不二家歌謡ベストテン枠(タケダアワー等の人気枠に並ぶ名枠)で放映されたスポ根ドラマ『美しきチャレンジャー』です。彼女が演じた主人公・神保みどりは、逆境を跳ね返してプロボウラーを目指す情熱的な少女であり、そのひたむきな姿は列島を熱狂の渦に巻き込みました。
同作の人気は凄まじく、主題歌「美しきチャレンジャー」を新藤恵美本人が透明感ある歌声で歌い上げ、レコードも大ヒットを記録。当時、日本全国に建設ラッシュが起きていたボウリング場には若者や家族連れが押し寄せ、ボウリングは単なるスポーツを超えた社会現象となりました。新藤恵美のトレードマークであったミニスカートのユニフォーム姿と、ピンを見据える鋭くも愛らしい視線は、まさに昭和40年代のアイコンそのものでした。
特筆すべきは、劇中の投球シーンの多くを吹き替えなしで本人が演じていた点です。当時の制作日誌やインタビュー記事によれば、撮影開始前にはプロボウラーから過酷な特訓を受け、指の皮が擦り切れて血が滲むような激闘を連日こなしていました。ただの清純派アイドル女優にとどまらない、根底にある並外れた根性とプロ意識が、あの伝説的なブームを牽引したのです。