インターネット上の掲示板や知恵袋などでは、本作に関して時折誤った言説が見受けられます。代表的な2つの誤解について、当時の公的資料や楽譜データをもとに事実を正しく整理します。
第1の誤解は、「『空よ』も村井邦彦や山上路夫のゴールデンコンビが手掛けた」という混同です。アルファレコードの創業者でもある村井邦彦は、トワ・エ・モワを世に送り出した最大の功労者であり、プロデューサー的な立ち位置で関わっていたためクレジットの誤認が起きがちです。しかし前述の通り、作詞・作曲者は難波寛臣氏であり、NHKの番組企画を介して発掘されたアマチュアの作品でした。プロ作家の高度なコード進行理論ではなく、純粋な感性から紡ぎ出されたメロディーであったからこそ、民衆の心にダイレクトに刺さったという文脈を見落としてはなりません。
第2の誤解は、トワ・エ・モワ 空よ 楽譜 コードに関する演奏難易度です。ギター愛好家の間では「シンプルすぎて弾き語りには物足りない」と言われることがありますが、これは大きな誤謬です。楽曲のキーはKey of C(原曲ではカポタストや移調による調整あり)を基調とし、基本進行は「C - G - Am - Em - F - C - Dm7 - G7」という王道のダイアトニックコードで構成されています。
しかし、この曲の真骨頂はコードフォームの難解さではなく、「アルペジオの音価の正確さ」と「ボーカルのピッチコントロール」にあります。装飾音やテンションコードに頼らない分、ギターの1音1音の余韻や休符の取り方が歌の情緒を直接左右します。弾き手の力量と歌唱者の呼吸が完全に一致していなければ、ただの平坦な童謡のようになってしまうため、フォークギターのアンサンブルとしては極めて難易度が高い部類に属します。