訪問者が最も警戒すべき関門が、領事部エントランスで実施されるセキュリティ検査です。「空港の保安検査よりも遥かに厳しい」と表現されるその運用実態は、日本の一般的な官公庁や民間施設の常識とは全く異なります。
最大のリスク要因は、「館内に手荷物の一時預かり所やコインロッカーが存在しない」という点です。米国大使館の公式規定により、持ち込み制限を超える荷物を所持していた場合、例外なく入館を拒否されます。周辺の駅ロッカーに預けに戻るよう指示されますが、朝のラッシュ時や混雑時は最寄りのロッカーが満杯であることも多く、結果として予約時間に遅れて面談自体が当日キャンセルになる事例が頻発しています。
持ち込み可能な物品は「1人につきバッグ1個(寸法は40cm×40cm×20cm以下、一部ガイドラインでは25cm×25cm×5cm程度の手提げサイズを推奨)」に厳しく限定されています。加えて、持ち込める電子機器は「携帯電話(スマートフォン)1台のみ」です。ノートパソコン、タブレット端末(iPad等)、スマートウォッチ、携帯ゲーム機、USBメモリ、カメラ、録音機器、電子タバコなどは一切持ち込めません。ワイヤレスイヤホンやモバイルバッテリーすら検査場で没収または破棄対象となるケースがあるため、不要なガジェット類は絶対に持参しないことが鉄則です。
さらに、あらゆる液体(未開封のペットボトル飲料や化粧水を含む)、食品、刃物類、ライターやマッチなどの発火具も持ち込み禁止対象です。傘に関しては折りたたみ傘のみ持ち込みが許可される場合がありますが、長傘は入口の傘立てに置くよう求められるか、持ち込みを制限される場合があります。必要な提出書類一式を透明なプラスチック製クリアファイルに入れ、スマートフォンと身分証、最小限の貴重品だけを小さなバッグに収めて向かうのが最も安全です。