名寄帳の取得手続きは、不動産が所在する市区町村の役所(税務課、資産税課、固定資産税課など)で行います。東京23区の場合は区役所ではなく「都税事務所」が窓口となる点に留意してください。
個人情報および課税情報が密集している文書であるため、誰でも自由に閲覧・取得できるわけではありません。名寄帳を閲覧・取得できる人は法的に厳格に制限されています。
取得可能な対象者:
- 所有者本人(法人の場合は代表者)
- 所有者と同居する親族(自治体により委任状が必要な場合あり)
- 所有者が死亡している場合の「法定相続人」
- 上記から委任を受けた代理人(弁護士、司法書士、一般の親族など)
- 借地人・借家人(賃借している対象物件の記載部分に限る)
被相続人の名寄帳を相続人が申請する場合、必要書類の事前準備が成否を分けます。役所窓口または郵送請求で求められる標準的な書類セットは以下の通りです。
- 固定資産課税台帳(名寄帳)交付・閲覧申請書:自治体窓口または公式Webサイトからダウンロードして記入。
- 申請者の本人確認書類:マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなどの原本(郵送の場合は写し)。
- 被相続人の死亡の事実が確認できる戸籍謄本または除籍謄本:死亡届記載事項証明書等でも可能な自治体あり。
- 申請者が正当な相続人であることを証明する戸籍謄本:被相続人と申請者の関係が確認できるもの(「法定相続情報一覧図の写し」があれば戸籍謄本の束に代えて1枚で証明可能)。
- 委任状(原本):相続人本人が行かず、親族や専門家が代理人として申請する場合に必須。
手数料の体系と郵送請求の注意点:
名寄帳の手数料は自治体によって扱いが分かれます。東京都23区では1名義・1年度あたり400円、多くの地方都市では1通(または数枚綴りごと)に300円程度が設定されています。一方で、4月1日から5月末頃までの「縦覧期間中」であれば、同一区内の所有者本人は閲覧無料となる制度があり、交付手数料を数百円から無料としている自治体も存在します。遠方にある実家の名寄帳を取り寄せる場合は、申請書に手数料分の「定額小為替(郵便局で購入)」、返信用切手を貼った返信用封筒、上記確認書類のコピーを同封して郵送請求を行います。