善逸のトレードマークである鮮やかな黄色(金髪)の髪色にも、過酷な過去のエピソードが存在します。もともと善逸の髪は黒色でした。しかし、育手である元鳴柱・桑島慈悟郎(くわじま じごろう/善逸が呼ぶところの「じいちゃん」)のもとで過酷な修行を受けていた際、逃げ出して登った木の上で本物の雷に直撃されたことにより、髪の色が金色へと変色してしまいました。
一見ギャグのような経緯ですが、このエピソードは善逸の人生における大きな転換点でもあります。女に騙されて背負った莫大な借金を肩代わりし、どれほど泣き言を言っても見捨てずに育ててくれたじいちゃんは、天涯孤独だった善逸にとって唯一の家族のような存在でした。
「雷の呼吸」の全6つの型のうち、善逸は「壱ノ型 霹靂一閃」しか使えませんでした。しかし、じいちゃんは決して彼を否定せず、「一つできるなら万々歳だ」「泣いてもいい、逃げてもいい、ただ諦めるな。一つのことを極限まで磨け」と励まし続けました。この教えが、善逸の抜刀術を神速の域へと昇華させたのです。