きょうだい心理学において、長女と末っ子弟の心理は非常に興味深い補完関係にあるとされています。第一子として生まれた長女は、下の子が生まれた瞬間に「お姉ちゃん」としての役割を無意識に課され、責任感や周囲を観察する能力を自然と身につけていきます。これに対し、第二子以降の弟は、幼少期から上の姉の行動を見て育つため、要領がよく甘え上手、かつ他者の感情の機微を察知する感覚に長ける傾向があります。
この力関係は、家庭内において「保護・指導する側(姉)」と「庇護され・適度にいなす側(弟)」という役割分担を形成します。同性の兄弟や姉妹にありがちな「同じ土俵での優劣比較」や「ライバル意識」が異性であることによって緩和されるため、無用なプライドの衝突が起きにくい構造を持っています。
心理学ではこれを「役割相補性」と呼びます。姉は弟の頼りなさを補いながら自己効力感を満たし、弟は姉のしっかりしたリードを頼りにしながら伸び伸びと自己表現を行います。この幼少期の相互作用が、大人になってからも続く姉弟の心理的距離感の心地よさにつながっています。