転落の苦しみの中で、北公次が決死の覚悟で世に問うたのが1988年12月に出版された書籍『光GENJIへ・再び』を含む告発本シリーズ(データハウス刊)でした。当時、ローラースケートを履いて社会現象となっていた後輩グループ「光GENJI」の大ブームの最中に投下されたこの本は、出版界に未曾有の激震を走らせました。
出版の経緯には、単なる金銭目的や暴露趣味にとどまらない動機が存在していました。当時、自身がかつてジャニー喜多川氏から受けた行為と同じ被害に、未成年の後輩たちが遭っているのではないかという強い危機感を抱いていた点です。「同じ苦しみをこれ以上若い後輩たちに味あわせたくない」という切実な思いが、筆を執らせる大きな契機となりました。
『光GENJIへ』の内容と告白の真相は、読者に凄まじい衝撃を与えました。合宿所での生々しい性被害の実態、ジャニー喜多川氏が少年たちを心理的・経済的に支配していく手法、拒絶すればステージの立ち位置や出番を奪われるという絶対的な権力構造が、当事者の実名によって克明に綴られていたからです。書籍に付属したビデオテープでは、北公次本人がカメラを前に涙ながらに被害を証言し、その告発本の内容はシリーズ累計で数百万部を記録する異例のベストセラーとなりました。