蟇石園地の木立を抜け、視界が開けた瞬間に現れる銀灰色のワイヤー構造美。橋板を踏み出すと、周囲の木々のささやきとともに、眼下を流れる箒川の轟音が心地よく耳朶を打ちます。高さ30メートルから真下を覗き込むと、透明度の高い川底の岩肌とコバルトブルーの水流が交錯し、足がすくむような高揚感を味わえます。
吊橋の中央部では谷を抜ける涼やかな風が吹き抜け、全身で自然の息吹を感じられる構造です。橋を渡り終えて左手へわずか10メートルほど歩を進めると、木組みの「観瀑台(展望台)」が設置されています。
この観瀑台から対岸の鬱蒼とした木々の合間に視線を向けると、絹糸を引くように白く輝く「回顧の滝」が姿を現します。落差約53メートルを誇るこの滝は、激しい水しぶきを上げる豪快な滝とは一線を画し、岩肌を滑らかに落ちる優美な佇まいが特徴です。深い緑、あるいは燃えるような赤に染まった渓谷の壁面に一本の白条が走る光景は、まさに絵画のような完成度を誇ります。