ネット上ではギャグ素材として扱われることの多い三銃士ですが、漫画『美味しんぼ』の作中における功績は非常に真面目かつ先駆的なものでした。
連載当時の1990年代初頭、日本のラーメン界はまだ町中華やチェーン店が主流であり、個人のラーメン店主がスープも麺も具材もすべて1人でこなすのが当たり前の時代でした。その中で「スープ」「自家製麺」「トッピング」を高度に専門分化させ、それぞれの匠が技術を結集して究極の1杯を作り上げるという構想は、その後の「ご当地ラーメンブーム」や「専門職人化」を予見していたと言えます。
原作エピソードの結末では、三銃士の力を借りて完成させた至高のラーメンによって見事に麺味処を圧倒。目的を果たした三銃士は静かに物語から去り、その後の本編にレギュラーとして再登場することはありませんでしたが、日本のグルメ漫画史とネット文化史の双方に深い爪痕を残しました。