世界中の選手がジャブラニの扱いに苦戦する中、その狂気の軌道を完璧な武器へと昇華させたのが日本代表の本田圭佑でした。
グループリーグ第3戦のデンマーク戦、前半17分。ゴール正面約30メートルの位置で得たフリーキックで、本田は迷わず無回転シュートを選択します。インサイド気味の足首を固定した鋭いインパクトから放たれたボールは、直進しながらデンマークの守護神トーマス・ソーレンセンの視界へ。そしてゴール直前、ボールはまるで意思を持ったかのように右へと急激に鋭く落ち、GKの手をかすめてネットを揺らしました。
多くの名手がジャブラニを「制御不能の欠陥球」と嘆く中、本田圭佑はその物理的特性を緻密に計算し、芯を打ち抜くインパクト技術で見事に手なずけてみせたのです。この一撃は、日本サッカー史のみならず、ワールドカップの歴史に深く刻まれる象徴的なゴールとなりました。