テーマパーク業界の動向を読み解く上で、まず直視すべきはテーマパーク入場者数推移と消費単価の急激な変化です。オリエンタルランドが運営する東京ディズニーリゾートや、合同会社ユー・エス・ジェイのユニバーサルスタジオジャパン(USJ)は、インバウンド(訪日外国人)の旺盛な需要と大型新エリアの継続投入によって、客単価・売上高ともに高水準を維持しています。しかし、国内居住者の入場者数内訳を見ると、かつての「年に何度も気軽に通う」スタイルから、「年1回〜数年に1回の特別な高額イベント」へと消費行動の変容が如実に表れています。
業界団体の統計および各社決算資料の分析から判明したのは、年間来場者数数千万規模の超巨大施設と、年間100万〜300万人規模の地方中堅施設の間で、利用者が求める価値の明確な「棲み分け」が生じている点です。メガパークがアトラクションの最新テクノロジーや世界的IP(知的財産)の世界観を武器にプレミアム体験を提示する一方で、地方や都市近郊の施設は「待ち時間の少なさ」「ゆったり過ごせる景観」「天候に左右されない利便性」を全面に押し出し、リピーターを獲得しています。
この変化は、消費者が単に「話題性」だけで行き先を決めるのではなく、「現場で過ごす時間当たりの快適度」を極めてシビアに採点し始めた結果と言えます。