今回発表された優秀作品賞一覧には、観客動員数で年間ランキング上位を独占した大型スタジオ作品とともに、ミニシアター発の口コミから異例の全国拡大公開へと化けた社会派ドラマが堂々名を連ねました。日本アカデミー賞協会が公表した一次集計データをもとに、主要5部門のノミネート概況を俯瞰します。
なかでも最大の関心事である最優秀主演男優賞予想においては、長年第一線を走り続ける実力派俳優のキャリア最高到達点とも評される重厚な役柄と、若手実力派が極限の減量と方言習得を経て挑んだ熱演が正面衝突しています。前哨戦となる各映画賞でも票が割れており、授賞式直前まで予断を許さないデッドヒートが続いています。
一方の最優秀主演女優賞候補も、圧倒的な存在感を放つ名優陣が顔を揃えました。複雑な現代社会の歪みを一身に背負った母親役を鬼気迫るリアリティで演じきったベテラン女優と、新境地を開拓して圧倒的な支持を集める演技派女優による事実上の一騎打ちと目されています。スクリーン越しに観客を圧倒した繊細な息遣いが、協会員の心にどれだけ深く刻まれたかが勝敗を分ける鍵となります。