全盛期、建築費や調度品の総額が数十億円とも70億円規模とも噂された京都の別邸。テレビカメラの前で披露されたのは、まばゆい黄金の仏壇や選び抜かれた巨大な銘石、息をのむような蒔絵の工芸品など、ごく一部に過ぎなかった。関係者の証言によれば、私的な居住空間には人間国宝の手による特注の建具や、世界各国から取り寄せた最高級の天然大理石が惜しげもなく使われていたという。
広大な日本庭園には四季折々の移ろいを計算し尽くした名木が配され、茶室や数寄屋造りの離れは現代建築の粋を集めた造りとなっている。単なる贅沢品の見本市ではなく、風水や独自の運命学に基づいた緻密な動線設計が施されている点が、高級不動産・豪邸としての特異性を際立たせている。訪れる者を圧倒する重厚感と、研ぎ澄まされた静寂。そこに宿る空気感こそが、彼女の権勢の証拠そのものであった。