台風の進路をより深く把握するために、気象庁の情報と並んで多くの専門家やユーザーが参照するのが、アメリカ海軍・空軍が合同で運用する米軍合同台風警報センター(JTWC: Joint Typhoon Warning Center)の予想図です。
両者の最大の違いは「最大風速の算出基準」にあります。気象庁が10分間の平均風速を基準にしているのに対し、米軍(JTWC)は1分間の最大持続風速を採用しています。そのため、米軍の発表数値のほうが気象庁よりも風速が高く表記される傾向があり、カテゴリ評価が一段階厳しく見える特徴があります。
進路予想モデルの精度に関しては、日本の複雑な地形や偏西風の微細な変化を反映した気象庁の全球数値予報モデル(GSM)が極めて高い信頼性を誇ります。一方で、JTWCは台風の中心線を一本のラインで明示するため、大まかな進行トレンドを視覚的に把握するセカンドオピニオンとして併用するのが合理的です。情報の相違に混乱せず、双方の予想円が重なるエリアを「最も警戒すべき進路」と判断するのが賢明な読み解き方です。