民事裁判において、少年Aの両親に対しては被害者遺族への総額約2億円にのぼる損害賠償命令が下されました。未成年者の起こした重大事件において、監督義務者である両親の法的・金銭的責任が問われた形です。
前述の通り、手記『「少年A」この子を生んで』の印税によって一部が支払われたものの、残額の返済は容易ではありませんでした。低賃金の職を転々とする父親のわずかな収入から、毎月数万円単位の送金が長年にわたって続けられました。
しかし、2015年に少年A本人が幻冬舎の元編集者を通じて手記『絶歌』を独断で出版した際、被害者遺族への事前の相談や謝罪が一切なかったことで、遺族の感情は再び深く傷つけられました。『絶歌』の印税についても遺族側は受け取りを拒否するなど、金銭的な解決だけでは決して埋められない深い溝が今なお存在しています。両親による賠償金の支払いは続けられたものの、完全な金銭的・精神的補償の完了には至っていません。