音楽番組で頻繁に披露されるシングル表題曲の陰に隠れ、熱心なファンや音楽通の間で神曲と崇められるジャニーズ隠れた名曲失恋には、ある共通点が存在します。それは「商業的なポップさ」という制約から解放され、より生々しく個人的な感情が刻まれている点です。
その代表格が、SpotifyやYouTube Musicの失恋プレイリストでも定番となっているSexy Zone(現timelesz)の『名脇役』です。作詞を手掛けた岡嶋かな多による「どこにいたって 誰といたって 気づけば君のことを考えている」というフレーズは、叶わない恋と知りながら相手の特別になれない男の悲哀を、容赦ない解像度で描き出しています。当時10代から20代だったメンバーが、背伸びをせず等身大の情けなさを吐露した歌唱は、今やジャニーズ泣ける曲まとめを語る上で欠かせない存在です。
さらに、SMAPの『オレンジ』は、シングル『らいおんハート』のカップリングという立ち位置でありながら、テレビ番組やラジオの「失恋ソング特集」で必ず名前が挙がる伝説的な楽曲です。「さよなら」を言えずに夕日を見つめる情景描写、そして最後の一節で呟かれる静かな別れの言葉は、聴く者の過去の痛みを呼び起こします。表舞台で見せる華麗な姿とは裏腹に、B面にひっそりと収められた失恋ソングこそが、リスナーの孤独な夜に最も深く寄り添ってきたのです。