金融社会学の視点から言えば、キャッシュレス決済の本人確認は「利便性」と「安全性」のトレードオフをどう引き受けるかという問題にほかならない。日本では現金信仰がいまだ根強い一方、災害時や旅行時の予備決済手段としてスマホ決済を備えておく合理的価値は高い。家族社会学の議論を借りるなら、高齢の親世代にスマホ決済を教える際、本人確認のハードルが「心理的バウンダリー(境界線)」として立ちはだかり、結果的に現金へ回帰するケースも少なくない。
本人確認を急いだほうがいい人は、PayPay残高を銀行口座へ出金する予定がある人、月間10万円を超える高額決済を想定する人、フリマアプリや個人間送金を日常的に使う人だ。逆に、本人確認を急がなくてもいい人は、少額の店頭決済のみに利用する人、個人情報の提供に強い抵抗がある人、スマホのカメラやOS環境が古く手続き自体が負担になる人といえる。
セキュリティ面では、本人確認後に「PayPayアプリのロック(指紋・Face ID)」「利用通知のオン」「二段階認証の設定」を併用することで、第三者による不正出金や乗っ取りのリスクを大幅に下げられる。本人確認はゴールではなく、PayPay本人確認 セキュリティを高める出発点として捉えるべきだ。