新五千円紙幣と旧五千円紙幣(樋口一葉のE号券)を並べて見ると、表面・裏面ともに視覚的・機能的な進化が明確に分かります。
まず表面では、肖像が樋口一葉から津田梅子へと変わっただけでなく、中央に大きく配置されたアラビア数字の「5000」のフォントサイズが大幅に拡大されました。これは年齢や国籍を問わず、誰もが直感的に金額を識別できるようにする「ユニバーサルデザイン」の一環です。また、目の不自由な方が指先で触って識別できるよう、券種ごとに位置を変えた深凹版印刷による識別マークも刷新されています。
裏面デザインにも大きな変更が加えられました。樋口一葉札の裏面には国宝・尾形光琳筆の「燕子花図(カキツバタ)」が描かれていましたが、新五千円紙幣では日本を代表する伝統花である「フジ(藤の花)」が美しくレイアウトされています。フジは古事記や万葉集の時代から日本人に深く愛されてきた花であり、気品と生命力を象徴する意匠として採用されました。