「前年同期比で売上高30%増」といった景気の良いプレスリリースを打ち出しながら、蓋を開けてみれば営業利益も純利益も大幅な赤字転落——。いま、東京証券取引所の開示書類で日常茶飯事のように目にする光景だ。名目上の売上数字だけが膨らみ、実際の利益率が底抜けする現象が各業界で相次いでいる。
原因は極めて明白だ。エネルギー価格や原材料の上昇分をエンドユーザーへ価格転嫁しきれていないことに加え、デジタル広告市場の飽和による顧客獲得コスト(CAC)の暴騰が利益を直接侵食している。上表面上の規模拡大に酔いしれ、顧客を増やすほど赤字幅が広がる「拡大自殺」の罠にハマる企業が後を絶たない。