SNSや知恵袋系プラットフォームには、モバイルバッテリー処分に関する膨大な書き込みが蓄積されている。「コンビニの回収ボックスに入れた」「自治体の不燃ごみで出せた」といった体験談が散見される一方、発火したという生々しい報告も一定数存在する。
2026年に投稿されたあるX(旧Twitter)ユーザーの報告は、ごみ出しの朝に起きた実際のトラブルをこう綴っていた。「朝、不燃ごみの袋から煙が出てる。開けたら古いモバイルバッテリーの端子が焦げてた。回収車が来る前で本当によかった」。この投稿は1万以上リポストされ、「私も危うくやるところだった」「自治体で回収してると思ってた」と反響が広がった。
こうした声を検証すると、誤解の根っこは主に二つある。
一つは「不燃ごみに出せる」という情報が過去の自治体ルールに基づいた古い知識であるケース。もう一つは「回収ボックスに入れれば安全」という過度な安心感だ。前者は自治体ごとに回収制度の移行時期が異なるため、同じ市町村でも2〜3年前の情報と現在のルールが矛盾していることが珍しくない。後者は、回収ボックスが絶対安全装置ではなく、あくまで正しい投入が前提のインフラであるという認識の欠如を示す。
取材で接した家電量販店のサービスカウンター担当者は「膨張バッテリーをレジ袋に入れて黙ってカウンターに置いていくお客様が今も週に数人いる。スタッフが気づいて専用容器に移すから大事には至っていないが、これが回収ボックスに直行していたらと思うとゾッとする」と打ち明ける。現場の緊張感は、ネット上の能天気な処分スレッドからは決して見えてこない。