実業団に所属して働くということは、アスリートとしてだけでなく、社会人としての自立を意味する。株式会社アイシンでの日々の仕事は、相撲という激しい格闘技とは対極にある精密さや組織的連携が求められる現場だ。しかし、一見異なる二つの世界は、今日氏の中で美しく調和している。
自動車部品製造業という日本のものづくりを支える現場で培われる規律とチームワークは、土俵上の集中力にも良い影響を与えているという。企業側にとっても、性別の壁や伝統的価値観に挑戦し続けるアスリートを擁することは、社内のダイバーシティ推進や企業文化の刷新において大きな象徴となっている。マイナー競技とされる女子相撲において、こうした実業団による支援モデルが確立されたことは、スポーツ業界全体にとっても計り知れない意義を持つ。