若き日の彼を語る上で避けて通れないのが、数多の浮名と「元祖・モテ男」という異名だ。週刊誌の紙面を幾度となく賑わせながらも、不思議と周囲から恨まれることがなかった。それどころか、共演した女優たちからも口々に「憎めない人」と慕われた。その根底にあったのは、計算や駆け引きとは無縁の、素朴で純粋な人間愛だったと言える。
幼少期から劇団に入りキャリアを重ねた彼は、老舗映画会社である松竹株式会社の制作現場でも根強い人気を誇った。大物の前でも決して飾らず、裏方スタッフの末端にまで気配りを忘れない。奢ることのないフラットな立ち振る舞いこそが、彼を取り巻く人間関係を常に温かいものにしていたのだ。