萩原健一という規格外の才能が世に解き放たれたのは、1960年代後半のグループ・サウンズブーム全盛期だった。16歳でザ・テンプターズのフロントマンとしてデビューするや否や、その危険な魅力と圧倒的なカリスマ性で熱狂的なファンを獲得。所属していた渡辺プロダクションでも一目置かれる存在となった。
音楽活動の熱狂が落ち着くと、彼は役者としての才能を大きく開花させる。日本テレビ系の『太陽にほえろ!』で演じた「マカロニ」こと早見淳刑事役は、日本の刑事ドラマの概念を根底から覆した。従来の堅物な警察官像を打ち破り、ジーンズ姿で感情をむき出しにする新人刑事を演じきったことで、お茶の間の視線を釘付けにした。
劇中での衝撃的な殉職シーンは伝説となり、彼は歌手から日本を代表するトップ俳優へと見事な転身を果たした。型にはまらない演技スタイルは、同世代の若者のみならず後進の役者たちにも絶大な影響を与えていく。