渡辺裕之という名を一躍全国区にしたのは、大正製薬のドリンク剤「リポビタンD」のテレビCMだった。勝野洋さんとのコンビで過酷な断崖絶壁をよじ登り、危険な状況下で「ファイト一発!」と叫びながら互いの手を握り合う演出は、昭和から平成にかけての日本の活力の象徴となった。あのフレーズと躍動感あふれるアクションは、茶の間に強烈なインパクトを残した。
単なるコマーシャルにとどまらず、彼の誠実さと圧倒的な肉体美を世に知らしめたこの作品は、渡辺さんの代名詞となる。体を張ったハードな撮影にも一切の妥協を許さず、笑顔で応えるスタンスは、その後の俳優人生における基盤となった。「ファイト一発」の掛け声は、現在も日本のポップカルチャーにおいて語り継がれる伝説的な名フレーズである。