桜のモチーフは、世界に向けた自国文化のプレゼンテーションにおいても比類なき威力を発揮する。スポーツの国際大会で世界のファンに強い感銘を与えた日本ラグビーフットボール協会のエンブレムは、その象徴的な例だ。咲き誇る胸元の桜は、勇猛さと気品を同時に表現し、チームのアイデンティティとして万国共通の共感を生み出している。
さらに、訪日外国人観光客を引きつける国家レベルの施策を担う日本政府観光局においても、日本の美を直感的に想起させるビジュアルアイデンティティが絶大な効果をあげてきた。言語の壁を一瞬で飛び越えるグラフィックの力は、世界中のトラベラーに対して「日本」という旅先の本質的な魅力を力強く印象づけている。