視点をグローバル市場に向けると、中国の不動産市場不振に起因する鋼材の過剰供給問題が、依然として国際価格を下押しする大きな要因となっている。東南アジアや中東市場へと流出する安価な中国製鋼材に対し、欧米諸国は相次いで追加関税や輸入割り当て制限を発動しているが、第三国を経由した迂回輸出の横行によって市場の歪みは完全には解消されていない。
こうした世界的な価格破壊の波の中で、北米市場独自のプレミアム価格をいかに防衛できるかが利益水準を左右する。自動車向けの超ハイテン材や次世代変電設備に不可欠な電磁鋼板など、ハイテク産業向け高付加価値製品への特化を進めると同時に、汎用品市場での価格競争に巻き込まれないための厳格な差別化戦略が求められている。