メガホンを取った配給大手の東宝が送り出した本作が「ひどい」と酷評された真の理由は、単なるクオリティの低さではなく「原作ファンが何を求めていたか」との圧倒的なズレにある。メロドラマ的な恋愛要素や、原作キャラクターの性格改変、唐突に挿入される性的ニュアンスの演出などが、原作の持つ切迫したミリタリー感やシリアスな命のやり取りを台無しにしたと判定されてしまったのだ。
一方で、海外からの評価は国内とは少し異なる一面を見せる。北米などの映画批評サイトでは、原作を知らない映画ファンから「怪獣映画(Kaiju Film)の系譜を引くクレイジーな特撮ホラー」として一定のマニアックな支持を獲得。アナログなミニチュア合成やゴシックな異様さを楽しむ層からは、一定の評価を与えられている。
要するに、本作は「原作の忠実な映像化」を目指した作品ではなく、「原作の素材を使った大爆破特撮映画」として作られていたのだ。この制作意図の不一致こそが、多くのファンを困惑させた最大のバッシングの真相である。