この場所は、日本のポップカルチャーやエンタテインメントの舞台裏を支えてきた側面も持っている。近隣にあるお笑い劇場やライブハウスに通う若手芸人やミュージシャンにとって、安くてボリューム満点のメニューは空腹を満たす最高の救世主だった。かつてテレビのトーク番組で「兆楽芸人」という特集が組まれたほど、カルチャーシーンに与えた影響は根深い。
深夜遅くまで灯り続ける黄色い看板は、夢を追う若者たちにとっての灯台でもあった。売れない時代に食べたあの味を、売れた後も変わらず食べに来る——そんなストーリーが店内の至る所に染み込んでいるからこそ、料理の味には深みが増す。