日本の教育現場で長年重視されてきたのは、ミスなく整った英文を作成する能力だった。TOEICや資格試験で高得点を弾き出す「英語の優等生」が、実際の現場に出た瞬間に言葉を詰まらせるケースは珍しくない。
問題の本質は「完璧主義」にある。文法的な正しさを意識するあまり、脳内で文章を何度も推敲し、結果として発言のタイミングを完全に逃してしまう。一方、海外のビジネスパーソンは、文法が多少崩れていても、強い主張と簡潔なフレーズで押し切ってくる。
事態を複雑にしているのは、英語という言語が持つ「結論ファースト」の構造だ。理由や背景からダラダラと話し始める日本型のロジックは、グローバルな場では「何を言いたいのかわからない難解な発言」として切って捨てられる。文法力ではなく、思考のアウトプット構造そのものが障壁となっているのだ。