「卒業式で生徒が歌う姿を、来場できない祖父母のためにYouTubeでライブ配信したい」——こうした切実な要望は今や珍しくない。式典会場で全校生徒が声を含ませて歌うぶんには、何の許諾も要らない。だが、カメラを通した瞬間に事態は一変する。
動画配信サービスへのアップロードは、著作権法上の「公衆送信権」に関わる。たとえ非営利の学校行事であっても、全世界へ向けて送信する行為は、会場内での演奏とは明確に区別されるのだ。限定公開にすれば大丈夫と思い込んでいる関係者も多いが、プラットフォームの自動識別システムによって音声がミュートされたり、動画ごと削除されたりする事例が相次いでいる。