かつて日本のホラーシーンを席巻した湿り気のある幽霊譚とは異なり、現代の観客を揺さぶるのはデジタル空間から生まれる未知の恐怖だ。その領域で先駆的な成功を収めたのが、映画『真・鮫島事件』や映画『きさらぎ駅』である。平成から令和にかけてインターネット上で噂されたネット都市伝説を題材にし、観客自身が怪異の真ん中に放り込まれたかのような緊迫感を生み出した。
特に映画『きさらぎ駅』では、主演の恒松祐里が魅せた迫真の演技とFPS(一人称視点)映像スタイルが見事に融合。まるでゲームの世界に入り込んだかのような新感覚の恐怖体験を提供し、興行面でも大きな話題を呼んだ。既存の形式に囚われない自由な映像表現こそが、新時代のJホラーを牽引する大きな原動力となっている。