物語の起源は、千葉県の市川市動植物園にある。水が流れる透明なパイプや手作りの水路を組み合わせ、小さなコースを作った。そこに勢いよく飛び込んだのが、好奇心旺盛なコツメカワウソたちだ。筒の中を疾走する「流しカワウソ」の愛くるしい姿は、テレビ番組『天才!志村どうぶつ園』で取り上げられたことで爆発的な注目を浴び、一気に全国区のアイドルへとのぼり詰めた。
「まさかこれほど喜んで滑るとは思いもしなかった」。当時の市川市動植物園飼育担当者は、設置初期の驚きを振り返る。元々は狭い飼育スペースでの運動不足を解消するための工夫だった。だが、パイプを設置した直後から、彼らは申し合わせたように滑り始めた。自発的な遊びの誕生だった。