大気の異常を引き起こす最大の引き金となっているのが、太平洋赤道域で展開されるエルニーニョ・ラニーニャ現象のダイナミクスだ。海洋表層の海水温が劇的に変化するこの現象は、日本周辺の偏西風の蛇行を誘発し、列島上空に暖気を停滞させる主要因となる。
直近の海洋観測データによれば、熱帯域の海水温パターンが急激なシフトを見せており、太平洋高気圧の北への張り出しを極端に強めている。世界気象機関(WMO)が指摘するように、大気中の温室効果ガス濃度の上昇を背景としたベースラインの気温上昇に、こうした海洋変動が重なることで、熱波のピークが跳ね上がる。専門機関の長期シミュレーションは、今夏以降も秋口にかけて平年を大幅に上回る高温傾向が持続する可能性を強く示唆している。