こうした言葉選びの工夫は、単なる精神論ではなく、科学的に体系化された療育手法に基づいている。代表的なものが、行動の直前と直後の環境に着目する応用行動分析学(ABA)だ。
ABAでは、適切な行動をとった瞬間に「褒める」「肯定的な声かけをする」ことで、その行動が定着しやすくなると考える。否定的な叱責は望ましい行動を増やさず、むしろ子どもの自己肯定感を削ぐ原因になりかねない。
また、アメリカのノースカロライナ州で開発されたTEACCHプログラムの考え方も極めて有効だ。TEACCHでは、視覚的・構造的に分かりやすい環境を作ることが重視される。「静かにしなさい」と注意する代わりに、声の大きさを1から5までの数字で表したボードを見せ、「今は2の声レベルで話そうね」と指示する。こうした見通しを持たせる工夫が、言葉の理解を強力に補完するのだ。