元総務相の増田寛也氏が提起した「消滅可能性都市」の衝撃以降、自治体首長らの間には焦燥感が蔓延した。人口減少に歯止めをかけたい一心で、十分なリスク検証を行わずに企業へ歩み寄ってしまう「甘い交渉」が定着した。これは戦略的な投資ではなく、恐怖心から駆り立てられた暴走に他ならない。
経済産業省が発令する産業立地動向の指針でも指摘されている通り、収支の見通しを著しく欠いた自治体経営は、企業誘致の失敗によって破綻のリスクすら孕む。企業の財務状況や市場将来性の審査を外部の専門家に委ねることなく、首長の個人的な「アピール実績」のために強行された誘致案件ほど、企業の業績悪化時に脆くも崩れ去る運命にある。