埼玉県の夏といえば、全国的にも有名な「暑さ」が代名詞だ。しかし、2026年の暑さは単なる季節の風物詩では片付けられない域に達している。
太平洋側から吹き込む南西の風が箱根や丹沢の山々を越える際、フェーン現象を起こして乾いた熱風となる。この熱風が、都心部の熱気を含んだヒートアイランド現象の気流と混ざり合い、埼玉県の平野部に流れ込んで停滞する。これが、埼玉県内で頻発する「熱溜まり(ねつだまり)」構造だ。
特に熊谷市や越谷市、大宮エリアでは、日中の最高気温が40度近くまで跳ね上がる日が珍しくなくなってきた。コンクリート構造物の熱保持特性も手伝い、夜間になっても気温が下がりきらない「超熱帯夜」が連続する傾向も顕著だ。
熱中症搬送者の増加に伴い、自治体側も手をこまねいているわけではない。県内主要駅周辺では、微細ミストの散布装置が従来比1.5倍に増設され、商業施設を活用した「クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)」の運用が常態化している。