極東の過疎地とは対照的に、モスクワから車で数時間の距離にある農村エリアでは、異例の光景が広がっている。北米や西欧から移住してきた家族連れが、自ら新たなコミュニティを形成しているのだ。西側の社会変化や経済不安から離れ、伝統的な価値観や自然に囲まれた暮らしを求めて渡露した人々である。
現地では英語やドイツ語が飛び交い、伝統的なロシア風の農園と西洋式の住居が入り混じる独特の景観が生まれつつある。地元住民との間には最初、言葉の壁や文化の違いによる戸惑いもあった。だが、農作業の共同化や地域市場での交流を通じ、新しいタイプの地方再生モデルとして定着し始めている。