扇風機とサーキュレーターの決定的な違いは、発生させる「気流の性質」にあります。外観のパーツ構成は似ていますが、ブレード(羽根)の湾曲度、ガード(前面カバー)のルーバー構造、モーターのトルク特性が全く異なるアプローチで設計されています。
扇風機は、人体の広範囲に穏やかで心地よい風を届けることを最優先に作られています。羽根は面積が広く薄めに設計されており、前面ガードも風を四方へ拡散させる格子状が一般的です。風速は意図的に抑えられ、到達距離は約3〜5メートル程度にとどまる反面、肌に当たった際の刺激が少なく、長時間浴びてもストレスを感じにくい拡散流を作り出します。
一方のサーキュレーター(Circulator=循環器)は、密閉された空間内の空気を強力に攪拌・移動させる空気循環機です。航空力学を応用した特殊な深翼ファンと、風をスクリュー状に絞り込むダクト構造のガードによって、渦を巻く強固なスパイラル気流を生成します。その直進性到達距離は15〜25メートル以上に及び、壁面や天井にぶつかるまで風束がほとんど崩れません。風量と直進性到達距離違いを理解せずにサーキュレーターを直接肌に浴び続けると、局所的に強烈な圧迫感を覚え、扇風機本来の心地よい涼感とはかけ離れた結果に陥ります。