恋愛心理学の観点から見ると、人は好意を寄せる相手に対して無意識のうちに首を傾ける傾向がある。この傾斜角がおよそ45度に達したとき、人間は相手に服従と親密さ、そして無防備な信頼を同時に伝達しているという。心理実験によれば、正面から一直線に向かい合う姿勢は圧迫感を与えやすいのに対し、わずかに角度をつけることでパーソナルスペースへの侵入に対する警戒心が劇的に和らぐ。
とりわけ、胸キュンを描く恋愛ドラマやコミカルな掛け合いが魅力のロマンチック・コメディにおいて、この心理的メカニズムは徹底的に計算されている。右側に傾けるか左側に傾けるかによっても印象は異なり、右傾斜は論理的な安心感を、左傾斜は感情的な直感や情熱を引き出しやすい。相手の心拍数を跳ね上げ、視覚的な美しさを極限まで高めるアングルこそが、数々の名場面を支える骨組みなのだ。