かつて両者の間には、浅からぬ緊張関係が存在していた。オランダの作家ディック・ブルーナ氏が生み出したミッフィーの権利を管理するMercis BV社と、日本の株式会社サンリオ。2010年、ハローキティの仲間であるうさぎのキャラクター「キャシー」を巡り、デザインの類似性を指摘する裁判へと発展した経緯がある。
法律上の争いに世界が注目する中、潮目を大きく変えたのは2011年の東日本大震災だった。サンリオ創業者の辻信太郎氏とMercis BVの経営陣は、膨大な法廷費用を被災地支援の寄付に充てる決断を下す。泥沼の争いをやめ、互いのクリエイティビティを尊重し合う道を選んだのだ。この歴史的和解こそが、今回のプロジェクトへと繋がる確固たる基盤となった。