映画ファンや批評家の間で語り草となる歴代のヤクザ役において、常に頂点に君臨し続けるレジェンドたちが存在する。独自アンケートや作品の歴史的インパクトを基にした人気ランキングの上位には、時代ごとの空気感を決定づけた顔ぶれが並ぶ。
堂々の筆頭に挙げられるのは、昭和の映画界を根底から揺るがした菅原文太だ。泥臭くも圧倒的なエネルギーで観客を圧倒した存在感は、今なお他の追随を許さない。それに続くのが、独自のバイオレンス美学を確立したビートたけし、そしてVシネマの黎明期から業界を牽引し続ける白竜や小沢仁志といった重鎮たちだ。さらに、強面を武器にバイプレイヤーからトップ俳優へと駆け上がった遠藤憲一の存在も外せない。
彼らが演じる役柄の魅力は、単なる「暴力的な怖さ」ではない。死と隣り合わせの極限状態で見せる刹那的な笑みや、組織の掟に翻弄される悲壮感など、多重の感情レイヤーを怪演の裏側に忍ばせている点にある。観客は恐怖を抱きつつも、どこか彼らの生き様に惹きつけられてしまうのだ。