ここで、気になる物語の真相と結末のネタバレに触れておこう。物語のクライマックスにおいて、主人公が最終的に到達する決断は「弟を排除すること」ではなかった。愛憎が入り交じる熾烈な心理戦の末に暴かれたのは、弟という個人の異常さではなく、彼らを生み出した「家族というシステムの歪み」そのものだったのだ。
タイトルの「弟いらない」という言葉は、拒絶の意思表示であると同時に、血縁という縛りからの脱却を意味していた。ラストシーンで二人が選んだ関係性は、従来の家族像を打ち破る衝撃的なものであり、読者に強い余韻と深い問いを投げかける。この圧巻のラストが、本作を単なる流行り物に終わらせない決定的な理由となっている。