小布施の栗文化を語る上で欠かせないのが、地域の経済と伝統を牽引してきた和菓子製造業の存在だ。栗本来の風味を一切損なわずに長期保存し、全国へ届けるための技術革新は、この街の職人たちによって推し進められてきた。
その筆頭と言える存在が、代表的な和菓子である「栗鹿ノ子」である。栗だけで練り上げた贅沢な餡の中に、大粒の栗の蜜漬けを惜しみなく練り込んだこの銘菓は、添加物を極力使わない純粋な味わいが特徴だ。滑らかな口当たりと豊潤な香りは、ひとくち食べれば口いっぱいに広がり、贅沢な時間を演出する。老舗各社が切磋琢磨しながら伝統を守り、時代のニーズに合わせてパッケージや製法を深化させてきた努力が、現代の根強い人気につながっている。