飛騨高山を語る上で外せないのが、直木賞作家である米澤穂信氏の存在だ。彼の代表作であり、世界中にファンを持つアニメ『氷菓』の舞台として、この地はミステリーファンの聖地として知られる。高山書店の書棚には、古典部シリーズの全巻が圧巻の佇まいで並ぶ。
特設されたミステリー文学・地域文学コーナーは、まさに圧巻の一言。作中に登場するような情緒あふれる街並みの写真とともに、作家の思考の軌跡をたどるような独自の解説が添えられている。アニメ『氷菓』で描かれた青春の空気感そのままに、作品世界へと深く没入できる仕掛けだ。聖地巡礼で訪れたファンが、ここで文庫本を買い求め、作中のキャラクターと同じ景色を探して街へ繰り出していく。