細木数子の存在は、単なる一占術家の枠を超え、日本のポップカルチャーそのものに変革をもたらした。特に彼女が広めた『大殺界』という言葉は、何をやっても裏目に出る低迷期を指す流行語として日本社会に定着した。
当時の芸能界において、彼女に「大殺界だからおとなしくしていなさい」「改名しなさい」と言われて実際に芸名を変更したタレントは数知れない。テレビ番組内で大物芸能人や政治家に対しても一切怯まず、上から目線でアドバイスを送る姿は、視聴者に強烈な快感を与えた。
従来の占い業界は、裏通りでひっそりと相談に乗る陰のイメージが強かった。しかし、彼女はそれをプライムタイムのゴールデン番組の中心へと押し上げ、エンターテインメントとして昇華させた。その結果、業界全体の市場規模を押し上げる立役者となったのだ。